徳島県徳島市吉野本町にある万福寺。新四国曼荼羅霊場の第77番札所、阿波秩父観音霊場の29番札所、徳島七福神霊場(弁財天)である。山号は寶珠山、宗派は真言宗大覚寺派。本尊は聖観音。

境内に三太郎を祀った立派な祠がある。

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右手の茂みに三太郎狸の置物が埋まっている。やぁやぁ いらっしゃい

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三太郎大明神の由来板

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阿波の狸奉賛会のではなく独自の由来板である。三太郎奉賛会があるからだろう。

万福寺の守護神として境内の老松を住家とした可愛い豆狸が鎮座していた。近所近隣の人々に愛され親しまれてきた。神通力があって不可思議なことが次から次へと起こり、霊験あらたかであるという。信者も多く商売繁盛、学歴向上、家内円満の守り神として有名である。

昔、万福寺の近所の和菓子屋で三太郎ういろうが売っていたらしい。

1965年頃、三太郎の住処であった松の木から狸の遺骸が発見された。寺の本堂で供養していたところ、それを聞きつけ信者が増えた。三太郎奉賛会により毎年11月3日に例大祭と懇親会が行われている。50人ほどの信者がいる。(2000年 阿波の狸文化)

寺の近所に住む人によると少年時代、母にいいことも悪いこともようせん狸だと教えてもらったそう。その母はある人に腰痛を治してもらったことがある。その時にむにゃむにゃと何かを呼び出し治療したらしい。姿は見えなかったが三太郎ではないかと話していた。

寺に遊びにくる子供たちと一緒に真剣を持ち出してチャンバラごっこをして戯れていたという伝説も残っている。大食いでも知られていた。

住職はたぬき和尚と呼ばれているが狸に似ているからではない、三太郎が住んでいた寺の住職だからそう呼ばれるようになったと断言する。(2013年6月8日 徳島新聞)

境内には依頼されて作ったという彫刻家・居上真人氏による狸の石像もある。その兄弟が神戸にいる。

奈良県生駒市に三太郎大神というお塚がある。関係があるかは不明。

三太郎大明神
徳島県徳島市吉野本町五丁目2
万福寺境内