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藩政の頃、高知市の清流「鏡川」の南岸の筆山麓に住み、夏の夜は山腹に大小無数の灯を現して葬送の提灯にまがい市井の人々を驚かせ、冬の夜にはしばしば藩のお女中部屋に戯れ、熟睡せる頭に赤紙を載せて「火事よ!火事よ!」とさわぎ立てるなど、まことにその智機のおもしろく伝わるままに、狸だるまとなす。
同封しおりより
2023年5月4日日本たぬき学会小松島大会 展示No.30